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日米野球映画キネマ館 / 田沼雄一
¥950
報知新聞社 単行本 H8年初版 カバーあり 帯なし ■タイトル通り野球を題材に使った映画の紹介本。アメリカ映画よりも古い日本映画の方が知られていないかもしれない。映画製作の裏側が野球ファンにとっても興味深い。ちなみに著者は映画評論家であるが、加山雄三が若大将シリーズで演じた役名の田沼雄一を思い浮かべてしまう。
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わが喜劇 / 澁谷天外
¥1,600
三一書房 函 単行本 72年初版 函ビニカ付き 帯あり パラフィンは傷んでいますが(写真参考)本体は美 ■エンタメにかかわるなら圓朝、曾我廼家兄弟、長谷川伸、真山青果などなど劇作の近代古典を読んでおいたほうが良いと、若いころに先輩から言われた。20代、30代の遊び場である放送メディアにいたから、時代の空気感ばかりを追いかけて読まなかった。読んでおけばよかった、どれだけ引き出しが広がっていたか、今となっては思う。澁谷天外もその一人である。上方喜劇史、喜劇論、戯曲が収録されている。
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そして、風が走りぬけて行った 天才ジャズピアニスト 守安祥太郎の生涯 / 植田紗加栄
¥1,900
講談社 単行本525P 97年初版 カバー帯あり 表紙タイトルわきに小凹み(写真参照) ■労作にして大作。ジャズファンなら守安のことはご存じと思う。戦後日本のジャズ界に登場し天才といわれながら謎の死を遂げたピアニストの評伝。
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東遊記 / 白井喬二
¥2,800
島津書房 単行本 平成11年初版 カバーあり 帯なし ■大衆小説の大傑作「富士に立つ影」の白井喬二による奇想小説。西遊記をもじって地下の異世界を大冒険するSF味付けの作品。ヨコジュン先生が復刻させなければ、二度と日の目を見なかったかも。思い付きとノリで突っ走ったような感覚が、今のラノベにも通じる気がする。少年SF「旧造軍艦」も収録。
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こじき大百科 にっぽん全国ホームレス大調査 / 村田らむ、黒柳わん
¥8,500
データハウス A5ソフトカバー 2001年初版 カバーあり 帯イタミ少々 ■20年前でもスレスレの本。ドヤ街の残滓や浮浪者の定住場所がまだ残っていた時代に、日本各地で飛び込み社会した記録。雑誌の時代の終わりに近いが、無茶でタガが外れていて、自ら飛び込み身を沈めていく、あの時代に育ったライターの骨太さを感じる。今の基準で良いか悪いかを断じる身ではなく、時代の空気感が愛しい。
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アメリカ,家族のいる風景 オフィシャル・フォトブック DON'T COME KNOCKING / サム・シェパード、ヴィム・ヴェンダース
¥1,300
ブルース・インターアクションズ 菊版ソフトカバー 06年初版 カバー帯あり ■サム・シェパードとヴィム・ヴェンダースが「パリ・テキサス」以来20年ぶりに組んだ映画のフォトブック。たくさんの映画にまつわる写真や製作資料とともに、サム・シェパードのシナリオが掲載されているのが魅力。70年代のサム・シェパードは全方位的なカルチャーヒーローだったが、見た目からかかわったもののすべてがかっこよくて戯曲作家としてあまり論じられない。「埋められた子供」から一貫して、表面には表れない隠されている危うい感情を漂わせるのがうまい。
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森繫の重役読本 / 向田邦子
¥1,450
ネスコ 単行本 91年初版 カバーあり 帯に折れ(写真参照) ■向田邦子の出世作となった連続ラジオエッセイのシナリオを収録。森繁が朗読した台本で、巻末には森繁久彌が向田邦子を回顧した掌編がある。
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虹の脇役 / 関容子
¥950
新潮社 単行本 99年発行00年2刷 カバー帯あり ■「銀座百店」に連載されたエッセイ集、講談社エッセイ賞を受賞した「花の脇役」に続く第2弾。歌舞伎を知らなくても、歌舞伎の風が吹く読み心地。装丁は和田誠。これぞ芸談。
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優柔不断術 / 赤瀬川原平
¥800
毎日新聞社 単行本 99年初版 帯カバーあり ■決断できることがそんなに素晴らしいのかと問いながら、優柔不断の能力に恵まれているという著者が社会と人のありようを、身近な出来事から見つめなおすエッセイ。わかりやすく白黒つけたがる風潮があるからこそ、立ち止まって考えることの大切さを思い出す。
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ふたつの月 / 谷啓
¥1,250
日之出出版 B6判ソフトカバー 89年発行2010年2刷 カバーあり(写真参照) 帯なし ■多くの人に愛された奇才の随筆風回顧小説。常識的で変で不思議な谷啓の随筆風回顧小説、普通に読めば普通だし、引っかかってしまうと思考迷路に入ってしまう捉えどころのない魅力。亡くなられた時の重版。
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納豆大全! / 町田忍
¥700
小学館 単行本 97年発行3刷 カバーの天にヨレ少 帯あり ■昭和の伝道師町田忍の納豆ガイド、ラベル収集から納豆根の興味が高まり納豆を掘り下げるに至る。出版当時の情報なので日々更新されるフードテックの科学情報とは多少違いがあるが、それもまたご愛敬で楽しむ。
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ラバウル温泉遊撃隊 / 山崎まゆみ
¥1,800
新潮社 単行本 09年初版 カバー帯あり ■温泉ライターが掘り当てた温泉秘話。週刊誌やCSチャンネルの旅番組とリンクさせながら取材調査を続けて結実したノンフィクション。戦時中にラバウルのジャングルの中で温泉を掘った日本兵の話を追いかけた。軽視されがちだが、このような題材を出版するのは大変な情熱と労力がいる。
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翼のはえた指 評伝 安川加壽子 / 青柳いづみこ
¥1,400
白水社 単行本 99年初版 カバー帯あり ■大正時代に外交官の娘としてパリに生まれ、戦前戦後に日本の音楽の発展に大きく貢献した安川の評伝。著者の青柳はピアニストでドビュッシーの研究家。演奏家としても生活者としても多くの開拓をした。記憶の彼方に消してよい存在ではない、と思う。
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地獄の伊東キャンプ 1979年の伝道師たち / 鈴木利宗
¥500
大修館書店 B6ソフトカバー 2012年初版 カバー帯あり ■監督就任一年目に最下位の屈辱を味わった長嶋茂雄が、チームの世代交代を一気に押し進めるために陣頭指揮を執って行った伊東キャンプの本。これだけをテーマに一冊の本にしたのは実にえらい。参加した選手ごとの回想で、地獄と呼ばれたそのキャンプの実相が見えてくる。
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王貞治の甲子園 昭和31年~昭和33年 早稲田実業学校野球部戦記 / 塩澤幸登
¥700
河出書房新社 単行本 2011年初版 カバーに一か所キレ補修あり、帯あり ■王貞治の早稲田実業時代にフォーカスしたノンフィクション。昭和のころから王貞治の物語は数多く読み物となってきたが、早実時代をここまで掘り下げてもらえたのはうれしい。努力で辿り着いた世界のホームラン王の姿とは違う、若く才気あふれる王貞治の青春に出会える。
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南海ホークスがあったころ 野球ファンとパ・リーグの文化史 / 永井良和 橋爪紳也
¥2,000
紀伊国屋書店 B6ソフトカバー 03年発行第5刷 カバー帯あり ■南海のファンブックというより日本プロ野球文化史。このような労作はそうそう書かれるものではないため、時とともに資料的な価値が高まっていくと思われる。
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大下弘 虹の生涯 / 辺見じゅん
¥550
新潮社 単行本 92年初版 カバー帯あり ■青バットの大下は赤バットの川上に比べプロ野球譚の中で語られることが少ない。しかし人間味にあふれ魅力的だ。戦後のプロ野球復興への尽力から、西鉄黄金期で果たした役割まで、その業績は川上に負けてはいないのだが、そんな基準で見るよりもこの野球人の人生を読んで楽しみたい本。
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イラショナル・レイビングス / 著:ピート・ハミル 訳:沢田博 解説:川本三郎
¥700
青木書店 単行本 89年初版 カバー帯あり ■ピート・ハミルが主に60年代に書いたコラムを70年代に入ってまとめたもの。ロック、ドラッグ、ベトナム・・・アメリカの若者にとって激動の時代を、ピート・ハミルの個人、自由、公正に根付いた視点から見た記録。これは意識しようがしまいが今の日本の若者文化の根幹にも続いている。
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『雪国』の汽車は蒸気機関車だったのか? 鉄道・文学・戦前の東京 / 酒井明司
¥600
東洋書店 B6ソフトカバー 09年初版 カバー帯あり ■東洋書店の現代叢書。働きながら趣味を持ち、積み上げた情報や知識や考えを本にまとめるのは素晴らしいことだと思う。一個人の視点に触れることも刺激になる。
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鉄道文学の旅 / 野村智之
¥750
郁朋社 B6ソフトカバー 09年初版 カバー帯あり ■文学作品を思いながら、登場する鉄道に乗って、その世界観を検証した体験記。乗物が好きで文学が好きで、ついつい調べて考えて、本にしてしまった感じに好感が持てる。
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ベーシーの客 / 村松友視
¥850
マガジンハウス 単行本 98年初版 カバー帯あり ■一関のベーシーはジャズファンの多くが知る店である。関連書籍もあるし、映画にもなった。村松がこの場所を物語の舞台にしたことが妙味。
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伝説の「どりこの」 一本の飲み物が日本人を熱狂させた / 宮島英紀
¥3,200
角川出版 単行本 平成23年初版 カバー帯あり ■戦前の日本を席巻した飲み物が「どりのこ」。なぜか講談社が発売した飲み物の本を角川が出した。題材にふさわしく、肩ひじ張らずに楽しく読ませてくれる。
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ジャジャ馬一代 遺構・青田昇自伝 / 青田昇
¥1,600
ザ・マサダ刊 単行本 98年初版 カバー表天にヨゴレ(写真参照) 帯にユルミ ■野球評論家となった青田は、孫のような年のスタッフたちから青さんと呼ばれてニコニコしていた。サッパリしてきて気さくな人だった。いろいろ書かれていたけど、みんなから好かれていた。だから人脈も広い。プロ野球がまだ未成熟だった激動の時代を体感してきた人の証言は貴重だ。
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善悪リーダー心得帖 神田松鯉ビジネス講談集 / 神田松鯉
¥10,000
経営書院 単行本 96年初版 カバー帯あり 裏に一か所疵(写真参照) ■神田松鯉は人間国宝で六代目神田伯山の師匠。講談をもとにしたリーダー論であるが、伯山がのびのびと才能を伸ばせた理由がみえる。希少本。
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